ノンフィクションとして読むべき [読書]

良くも悪くも電通の影響力は強いのだ
ノンフィクションものとしての発表が出来なかった、というネタを小説という別の調理方法で食べられる一品に仕上げた本。
ちなみに初版は約30年前(1981年)に発表されています。
話の筋自体は一昔前の(前述したとおり約30年前に書かれた小説なので)スパイものというか陰謀ものの焼き直しに思えるのですが、「事実なのだろう」という「前提条件」を有しているので、下手な純粋フィクション小説よりは引き込まれてしまいます。
最後まで読んだ後、後味の悪さが気になるかもしれませんが、電通という会社(それが虚像であっても)の勢いを踏まえると、主人公たちは蟷螂の斧にならざるを得ないのでしょう。
それ故に電通の威光というものを、それと縁の無い一般読者に対して知らしめることが出来ている一冊です。
多少の数字の違いはあっても大勢はこの本が出た当時と現在も変わりありません。
広告業界がどんなふうになっているのか知るにも役立つ一冊だと思います。

ノンフィクションとして読むべき
小説としてはまったくつまらない。
というよりはノンフィクションじゃ書けなかった事を、「これは小説だから。
」と言い訳をして、出版した本なのだろう。
小説としてのつまらなさとして、例えば、台詞が異常に説明臭かったり、筋が単調でつまらなかったりする。
(後、女性と外人の表現の仕方が恐ろしく変だ。
女性の価値を表現する言葉で処女みたいにとかいう表現を久しぶりに読んだ。
)だから、この本は、小説電通というタイトルとは逆にノンフィクションとして読むべきだ。
最初の100ページくらいを読むと、筆者が訴えたかった電通の問題というのはほとんどわかる。
しかし、この本が81年に出版されたものであるという古さと、小説という形式がネックになっている。
確かに二十年前にこの本が出るころには価値があったのだろう。
しかし、二十年の時を経て、再販する意味がまったくわからない。
やるなら、完全にノンフィクションとして中身も最新の情報に更新してやってほしかった。
もしかしたら、それを許さないくらいに「電通」の力が強いという事なのかもしれないけれど。
小説電通大下 英治
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